はじめに
TRPGは人と人とが会話によって物語を作り出すゲームです。
しかしそれ故に時に考えの違いなどから時に困ってしまうシチュエーションと出くわすこともあります。
ただこう言ったときの対処は、人それぞれで人によって答えも違ってきます。
ここでは、瑛士、レンの二人が困った状況に対し、どのような対応をしていくかを一緒に考えていきます。二人の結論の出し方が皆様の助けになればと思います。
目次
Ep0:TRPGにおける困ったちゃん
Ep1:TRPGにおける禁止行為
Ep2:ルールの扱いで大論争
Ep3:雑談が大盛り上がり
Ep4:キャラクター信念の衝突
Ep5:トンデモ設定を言い出す人
Ep6:シナリオ範囲外の行動
Ep7:キャラクターの死
レン | TRPG遊んでると時々困った人に遭遇するんだよね。そんな人と遭遇した日はゲームも楽しみが半減だよ。 |
瑛士 | まぁ会話で成り立つゲームだから、双方の考え方の違いから問題となることはあるな。ただそういう事もちゃんと話し合う事で解決できることもある。 |
レン | そうなんだけど、そういう議論になって本当は楽しみたかった部分がおざなりになっちゃうというか、それがさみしいんだよね。 |
瑛士 | 初めてケースは致し方がないが、何度も同じことが起きているなら、事前に対処を考えておけば、もっと早く解決はできると思うぞ。 |
レン | TRPGでそもそもやってはダメ行為ってなんだろ? |
瑛士 | 基本は、一般社会と同じだと思えばよい。ほかの人が嫌がるような言動、行為は基本禁止だ。 |
レン | でも時々ルールだからと言ってプレイヤーがいがやる行為を押し付ける人がいるよね。 |
瑛士 | 確かに少なからずそういったことをする者もいる。ただそれはルール以前に社会常識上ダメで、イヤだと思う行為に対しては、毅然とNoと言う勇気は持ってほしいな。 |
レン | 言われてみればそっか。そもそもゲームのルールの前に社会常識があるもんね。 |
レン | 前回ゲームした時、ルールに拘る人がいて、マスターに対してルールの指摘をしたり、いちいちルールの確認をし出してゲームが止まっちゃうことがあっただよ。 そんな時、どうすればよかったのかなぁ? |
瑛士 | 長くなったら一旦その議論は止めて、ゲーム終わった後で、話したい奴が話せばよい。 |
レン | でもルール間違っていたらダメじゃないの? |
瑛士 | それは違うな、たとえ間違ったルールでもマスターの決定が最優先される。だからその場では間違ったルールがその場のルールとなるのだ。 あと全部の細かなルールを覚えて完璧に使いこなすのは無理がある。だから多少のルール間違いは仕方がない。 |
レン | まぁそうなんだけど。それっていざ議論が始まったら言えなくない? |
瑛士 | そこは、マスターが事前にルールの取り扱い・考え方を一言言っておくべきだな。そうすることで意見の不一致による事故も防げる。 |
レン | それって自分の意見に会わないやつを来るなって言ってるという事? |
瑛士 | それは違う。TRPGは遊びなのだから意見が合わないやつが無理して遊ぶ理由はない。だから遊ばないというものも一つの選択だ。ただ、多人数で遊ぶゲームだからこそできるだけ皆の意見に合わせる配慮はしてほしいとは思う。それが大人ってやつだ。 |
レン | 大人ねぇ。。。いつも自分の意見を曲げない奴が良く言うわ。 |
瑛士 | ぐは。。。。。 |
レン | ゲーム中、関係ない話で盛り上がっている人がいて変に話が長引いたんだよね。やっぱ止めるべきだった? |
瑛士 | 必ずしもそうとは言えない。適度な雑談は息抜きになって良い面もあるからな。 だから多少の雑談は許してやったほうがよいな。 |
レン | まぁそうなんだけど、ほかの人が喋っているときに、場面出ていない人同士で喋っていたのだよね? |
瑛士 | それは度が過ぎていたらマスターが注意すべきだな。 TRPGはプレイヤー、キャラクターの両方の視点で遊ぶゲームだからな。別に自分のキャラが参加していないからと言って、話を聞かないという姿勢はあまり褒めれたものではない。 |
レン | でもその加減が難しいよね。 |
瑛士 | 確かに。ただマスターであれば、不快に思うプレイヤーいるのが解ったら止めてあげるべきだな。 |
レン | ゲーム中、ある人が自分のキャラの性格上その行動はできないとか言い出して、結局大論争になったのだよね。 |
瑛士 | まぁTRPGは、ロールプレイを楽しむゲームでもある以上、自分のキャラクターの性格上納得できないことが出てしまうのは致し方がないな。 ただ、行き過ぎたロールプレイは、時に問題となるので、キャラクターとプレイヤーは分けて考えてほしいと思うがな。 |
レン | 分けるってどいう事、幽体離脱? |
瑛士 | キャラクターとしてだけでなく、プレイヤーとしても考えるという事だ。 例えば、シナリオ上、ある宿敵Aを捕らえる必要があったとする。でもあるキャラクターはそのキャラクターに恩があって逃がしたいと考えていたとする。 そーなると当然キャラクターのロールプレイだけで言うと対立をしてしまう。 |
レン | まぁそうよね。 |
瑛士 | ただ、そこで一旦プレイヤーとしての視点に変えて考えるんだ。今日のシナリオ上その結果はハッピーエンドになるのか?、自分たちが望む結末になるのか? その判断を元に、どちらかのプレイヤーが折り合いをつけるか決めて、キャラクターのロールプレイは対立する側が、気づかない場所で捕らえるもしくは逃がしたことにすればよいのだ。 |
レン | でもそれってプレイヤーとして目的が一致している前提よね。 |
瑛士 | もちろん、ただ基本は皆でゲームを楽しむのが目的だから、あまり深く考えずに自分にとって何が楽しいと思えるかを考えればよい。 |
レン | 前回ゲームしているときにすごい設定を言い出した人がいてびっくりしたんだよね。90歳の高校生とか言い出して扱いに困ったよ。 |
瑛士 | お前がマスターなら、自分の力量で対応ができるかを考えたらよい。 もし対応できると思うなら、許せばよいし、対処ができないなら素直に無理って言ってあげたほうが良い。 |
レン | でもダメって言ったら相手嫌がるんじゃない? |
瑛士 | そりゃぁせっかく考えたアイデアを否定するのだから、嫌な思いはするかもしれない。 ただ、だからと言って自分が対処できなくてシナリオ崩壊させてしまったら、その人だけでなく他のメンバーにも迷惑をかけることを忘れてはいけない。 |
レン | そっか、みんなで遊ぶゲームだもんね。 |
瑛士 | あと判断に迷うならほかのメンバーに確認してみるのもよいかもな。プレイヤーという立場だとマスターが許可したものを反対するのは抵抗感がある人もいるかもしれない。そんなときにマスターから聞いてあげれば意見しやすくなるしな。 |
レン | 結局、みんなで会話することが大切という事だよね。 |
レン | 前回私がマスターで遊んだとき、あらかじめ考えていない行動をプレイヤーがやりだしたんだよね。 その時シナリオで想定していない質問や、行動をしてきて、アドリブで対処ができればよかったのだけどうまくできなかったのよ。アドリブってどうすれば上手くなるの? |
瑛士 | そんなの経験だ。何度もひたすらマスターをやればいずれできるようになる。 |
レン | いや、そんな答えは求めていなくて、私でも簡単に楽にできる様になるアドバイスが欲しいのよ。 |
瑛士 | 貴様、どんだけムチャなことを言っているのかわかっているのか。。。。まぁいい、今回は特別に教えてやる。 ただ前置きをするとこれはあくまでも俺個人の意見であって一般論ではないことは了承するように。 |
レン | はーい。(つかそういう事を会話する場所でしょ?) |
瑛士 | まず俺の場合、完全なアドリブはほとんどやらない。 |
レン | いきなり否定してきたわね。 でもシナリオに書いてある事以外の事、喋ってない?、あんたがマスターした時に使ったシナリオ、あんな事セリフ書かれてなかったわよ。 |
瑛士 | 確かに、シナリオにはあんなセリフは書かれていなかったが、俺の頭の中にはそういうことを言うNPCとして出来上がっていたのだ。だから完全なアドリブではないというのはこういう事だ。 |
レン | ますますよくわからないのですけど。 |
瑛士 | 要するにあらかじめNPCの性格から普段の行動パターンを考えるという事だ。 例えばシナリオの中でNPCのヒロインの女性がいるとしよう。 最初にそのキャラクターがどんなキャラでどんな性格、外見、普段の喋り口調とかを考えるんだ。 そして、そのキャラがなぜシナリオ集に書かれた行動をとってしまったかを頭の中で深堀をしていく。こうすることで、キャラの行動に意味と理由が生まれる。そこが変わらない限りプレイヤーがどんな変なことを言われても対応ができるわけだ。 |
レン | それってすごくめんどくさいことをしているわね。いつもそんなことしているの? |
瑛士 | 全部ではないが、重要なNPCはやっている。だから一見アドリブでやっているように見えて実はアドリブではないのはそういう事だ。 |
レン | それ毎回やるの時間もかかるし大変じゃない? |
瑛士 | 確かに、そんなときはアニメや小説、ゲームのキャラや実際の俳優に置き換えてしまうのも一つ手だ。あとは自分が過去プレイしたキャラクターにしてもよい。 そうすることで、全部を考えなくても足りないところだけ考えれば済むし、何よりアニメ・小説のキャラをベースにすればキャラのイメージを伝えるときにも、そのキャラをそのまま言ってしまえば良いのでプレイヤーにも伝えやすいぞ。 |
レン | なるほど。 そうは言っても、全部カバーできるわけじゃないわよね。 |
瑛士 | 確かに、あらかじめ考えていた範囲を超えた場合、初めてアドリブをすることになる。 そんな時は、俺の場合は自分が普段からやるキャラクターのイメージをそのまま当てはめてしまう事がほとんだな。 慣れたキャラクターであればいちいち性格やら喋る内容を考えなくても、普段通りに喋るだけでそのキャラの演出になるしな。 |
レン | なるほど。あんたの場合、似たようなキャラが出てくる時は、完全なアドリブだという事ね。 |
瑛士 | ・・・・・・ |
レン | でもその場で考えることもできないような事を言われたらたらどうすればいい? 行きたいといわれた場所の設定とか考えてもないような部分を言われたりとかさ。 |
瑛士 | キャンペーンとかでもないのなら素直にごめんなさいと言って考えていないと言ってしまうべきだな。 その場で考えるにも限界はあるから無理に進めたら、プレイヤーにもっと迷惑をかける可能性だってある。 ただキャンペーンなら素直に相談して一旦そこでその日のセッションは終わらせて次回その先を考えることでもよい。その辺は状況に応じて考えれば良い。 |
レン | この前遊んでいた時、あるプレイヤーのキャラクターが死んじゃって、その人すごく落ち込んでたのよね。どうするべきだったのか色々と考えちゃうのよ。 |
瑛士 | ゲームのシステム・設定によるが大抵のシステムでは、キャラクターは危険な仕事をすることで普通の人では得ることのできない大金や名誉を得ることができる。 だからキャラクターの死は致し方がないと言えるな。 |
レン | そうなんだけど、なかなか受け入れろと言ってできるもんじゃないでしょ? |
瑛士 | 確かに、だからキャラクターに死を与えるときは注意が必要という事だ。 |
レン | どういう事? |
瑛士 | 具体的には理由を明確にしてあげることだ。例えばそれは不注意な行動の結果であったり、自らのファンブルによる偶発的なものであったりとか。なぜ自分のキャラクターが死なねばならないのかその理由を明確にしてあげることで、相手も受け入れやすくはなる。 逆に言えば、理由も説明せず殺すのはできるだけしてはダメだという事だ。 |
レン | なるほど、突然の死は受け入れることができず、結局地縛霊とかになるとかいうしね。 |
瑛士 | 本当にそうなるかは置いといて、可能ならプレイヤーがどうすることもできない状態で死を与えるのは後味が悪くなるのでやめたほうが良い。 |
レン | じゃぁできるだけ殺さないほうが良いの? |
瑛士 | それは違うな。ゲームにもよるが死ぬ可能性がある状況はある種の緊張感が生まれ、シナリオが面白いものにすることができる。それを忘れてはいけない。 |